しらとりのブログ

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グラブル:クリティカル倍率の期待値を求める

グラブルで学ぶ統計学第1弾

グラブルのクリティカル事情

編成に技巧スキルを含む武器を装備すると、スキルの効果量に比例してクリティカル確率(大ダメージを与える確率)が上昇します。この技巧スキルは2種類存在し、通常技巧方陣技巧に分けられます。この2つは確率計算の処理がなぜか異なっています。違いは以下の通りです。

10%の技巧スキル持ち武器を3本編成したときクリティカル判定の処理の差異

通常技巧 :10%の抽選を3回行う(複数当選の可能性あり)
方陣技巧 :(10+10+10)%の抽選を1回行う

今回はこのパッとわかりずらいクリティカルの確率と期待値について考えます。

同じスキル量でクリティカルが発生する期待値を求める

まずはクリティカルが発生する確率を調べます。 通常技巧のほうはとある方法で確率を求めていますが、説明を後回しにします。

通常技巧
10%の成功確率で3回成功する確率は0.1%です
10%の成功確率で2回成功する確率は2.7%です
10%の成功確率で1回成功する確率は24.3%です

方陣技巧
方陣技巧はスキル量の合算がそのまま成功確率となり、30%です。


上記の確立を利用して、一回の攻撃あたりのクリティカルが発生する回数を確率変数と定め、期待値を求めてみます。クリティカルが発生しない場合は掛け合わせる数が0となるため省略します。

通常技巧
0.243\times 1+0.027\times 2+0.001\times 3=0.3

方陣技巧
0.3\times 1=0.3

期待値は0.3回と等しくなりました。 通常技巧の方の確立を調べるのは少し面倒でした。しかし期待値の線形性を用いると簡単にこの期待値を求めることができます。

期待値の線形性

和の期待値は期待値の和であることを利用します。
上記にある例はクリティカル発生回数を確率変数としています。通常技巧は3回の試行を経てクリティカル発生回数の合計値(総和)の期待値を求めています。これは、1回の試行の期待値を求め、その値を3回分足し合わせることに等しくなっています。

例を挙げます。クリティカルが発生する場合に1、発生しない場合に0をとる確率変数を定め、1回あたりの期待値を求めます。 期待値であることを明確にしたいので、今回は0の確率変数を省略しません。

 0.1\times 1 + 0.9\times 0=0.1

通常技巧では3回の試行を行うため、3回分足し合わせます。

 0.1+0.1+0.1=0.3

非常に簡単に当初の目的であったクリティカル発生回数の期待値を求めることができました。複数回同じ試行を繰り返した場合の期待値を求める場合、期待値の線形性は非常に有用です。
また、特定の事象が起こる/起こらないの2択かつ成功する場合の期待値を求める場合、それは成功する確率と等しくなります。このような試行をベルヌーイ試行といい、確率変数はベルヌーイ確率変数と呼ばれます。

ベルヌーイ試行

クリティカル発生回数が1回となる確率の例をみてみます。 これは(3回の試行のうち成功回数が1となる組み合わせ)×(成功確率)×(失敗確率)×(失敗確率)で求められます。

 {}_3 C_1\times 0.1\times 0.9\times 0.9=0.243=24.3\%

この式を一般化します。成功確率をp,失敗確率を成功確率の余事象(1-p)と置き換えたとき、n回の試行のうちk回成功する確率を求める式は以下のようになります。

 {}_n C_k\times  p^k\times(1-p)^{n-k}

この式に二項係数(Cの部分)が含まれることから、この式から求まる確率は二項分布と呼ばれます。最初に通常技巧のそれぞれのクリティカル発生確率はこの2項分布になっています。また、成功確率がpでn回ベルヌーイ試行を行った場合の二項分布の期待値(=確率の平均値)は以下の式で求められます。 導出は長いので省略します。

 二項分布の期待値=np

この式は複数回の同じ試行の期待値は確率から求められることを示しています。

以上のことを踏まえると、グラブルにおける技巧に関する武器編成のイメージが付きやすくなると思います。方陣技巧でクリティカル確定編成も楽しいですが、神石編成による通常技巧編成も考えていきたいですね。それでもダメージ減衰があるグラブルでは方陣技巧が圧倒的有利なことに変わりありませんが。。。